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映画「泥棒成金」はコメディ・スリラーの金字塔!ヒッチコック作品!

2017.01.28.18:00

「泥棒を捕まえたければ泥棒を使え」という格言があります。
このフレーズ、まるでこの映画のために作られたようなフレーズです。
この「泥棒成金」は、この言葉をモチーフにして作られた映画なのだと思います。

【豪華で獣めいたクール・ブロンド】




映画の舞台は、南フランスのリヴィエラ海岸です。
主人公ジョン・ロビー(ケイリー・グラント)はかつて凄腕の宝石泥棒だったのですが、いまは稼業から足を洗い、優雅な独身生活を楽しんでいるのです。

ところが、その安眠を破るかのように窃盗事件が相次ぎます。
しかもその犯行は、かつて「キャット」とあだ名されたジョン・ロビーの手口を彷彿させるものだったのです。
保険会社の依頼を受けた彼は、嫌疑を晴らすべく真相追及にとりかかります。

ヒッチコック監督自身も「軽い話だ」と認めているのですが、実際にこの映画は、サスペンスとしてはひまひとつ・・・だと思います。
のちに「ピンク・パンサー2」のヒントとなったくらいで、謎や仕掛けも特に緻密ではありません。
ですが、これはとても滑らかでロマンティックなコメディ・スリラーの名作です。

公開当時51歳だったケイリー・グラントの優雅さは指摘するまでもありません。
背景に選ばれたリヴィエラの視覚的処理や、至るところに設けられた二重性も、ヒッチコック監督ならではの技を感じさせてくれます。
ですが、最大の二重性はグレース・ケリーの存在ではないでしょうか。
この映画の彼女は、豪華なだけでなく、ひそかに獣めいた匂いを放っています。
ヒッチコック監督は、彼女のクール・ブロンドの陰にひそむものを見抜いたのだといわれています。

1954年の映画です。






映画「裏窓」リメイクされるほどの名作サスペンス!

2017.01.27.18:00

「覗き」と「映画」には、切っても切れない関係があると思うのです。
そもそも、観客の姿は登場人物には見えていないのですから、観客は登場人物を覗いているといいってもよいのでは・・・。
つまり映画の登場人物は、無防備な姿を観客にさらしている・・・、どこかよこしまで淫らな感じが漂うような・・・。

【小宇宙のように完璧な設定】




アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」はそういった上記の構造を最大限に活用しています。
主人公のジェフ(ジェームズ・スチュアート)は左足を骨折したカメラマンです。
退屈をもてあました彼は、中庭をはさんでアパートの反対側の棟に暮らす人々の生活を覗き始めるのです。
孤独な中年女、セクシーなバレリーナ、べたべたの新婚夫婦・・・・・さまざまな住民に混じって、どこか粗暴なセールスマン(レイモンド・バー)の姿も見えます。
そしてジェフは、セールスマンがその妻を殺害したのではないかと疑いはじめます。

小宇宙のような完璧な設定のもと、ヒッチコック監督は、ジェフの視線と観客の視線を一体化させていくのです。
ジェフは、恋人のリザ(グレース・ケリー)や看護婦のステラ(セルマ・リッター)の協力を得て謎の核心に迫ります。
が、こちら側を見返すはずがなかった覗きの対象が、意外な行動に出た瞬間、観客はジェフとともに・・・・・。

ヒッチコック監督は、舌を巻くような語り口でこの映画を撮り上げています。
自分自身の説明や解釈などを投げ捨て、外部のできごとのみ興味を炎上させ続けること。
それこそが娯楽映画なのではないでしょうか。
ヒッチコック監督は、そういったことを誰よりも強く認識していた人なのだと思います。

1954年の映画です。






映画「断崖」!名優ケイリー・グラントの演技も見もの!

2017.01.26.18:00

この映画「断崖」の原題は「サスピション(疑惑)」といいます。
疑惑をいだくのは、良家の令嬢リナ(ジョーン・フォンテーン)です。
疑いをかけられるのは、イケメンの遊び人ジョニー(ケイリー・グラント)です。
ジョニーとリナは、列車で知り合って夫婦になりました。
ところがリナは、結婚前からジョニーに関する悪い噂をいろいろと耳にしているのです。
厳格な軍人の父親も、その結婚にはよい顔をしません。
つまり彼女の心には、早い段階からマイナス要因がいくつか刷り込まれているといってもよいのです。

【見る者をゆさぶるあの手この手】




その疑惑が頂点に達するのが、海辺の断崖を眼にしたときです。
彼はいったい、何をたくらんでいるのか・・・・・。

イギリス出身のヒッチコック監督は、イギリスを舞台にしたハリウッド映画を2本撮っています。
1本目が「レベッカ」で、この「断崖」は2本目にあたります。
ただしこの映画には、仰天するような発想が少ないのです。
セット撮影もかなり予算をケチったようです。
実際に、映画的冒険に関しては、ヒッチコック監督自身も不満をいだいていたようです。

そういった状況でも、ヒッチコック監督はきちんとみせてくれます。
普通の監督が撮れば単調になりそうなこの物語に、ヒッチコック監督はあの手この手のゆさぶりをかけるのです。

さらに光るのはケイリー・グラントの演技です。
イケメンで明るく、それでいながらずる賢く冷酷な匂いを漂わせる男を演じます。
そんなジョニー(ケイリー・グラント)がミルクの入ったコップをもって階段を昇るシーンはあまりにも有名です。
このミルクにも仕掛けがあるのです。
ヒッチコック監督は、毒のようなミルクの白さを出すために、コップの中に豆電球を仕込んだというのです。
こういったこだわりもまさに巨匠です・・・。

1941年の映画です。






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2015graman

Author:2015graman
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競馬・スポーツ観戦(特に総合格闘技・ボクシング)・映画鑑賞

◆好きな俳優
シャーリーズ・セロン
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