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映画「オー・ブラザー!」は「オデュッセイア」のパロディ?

2017.01.31.18:00

映画冒頭にとんでもない文字が出てきます。
「これはホメロスの『オデュッセイア』に基づく映画だ」という断り書きです。
ですが、コーエン兄弟の仕掛け好きはこの時に始まったことではありません。
確かに、主人公マッギル(ジョージ・クルーニー)のミドルネームはユリシーズといいます。
「一つ目の巨人」に似た聖書のセールスマン(ジョン・グッドマン)や美声のサイレーンも「オー・ブラザー!」の中には登場しています。
ただ、だからといって・・・・。

【アメリカ大衆文化の再生を願って】




映画の舞台は大恐慌時代のミシシッピ州です。
鎖につながれていたマッギルはふたりの仲間(ジョン・タトゥーロ)(ティム・ブレイク・ネルソン)と脱走します。
妻のもとへ帰り、富とお気に入りのポマードを取り戻すのが彼の目的なのです。

というわけで、三人はアメリカ南部を漂流します。
その途中で出会うのは巨人や美女だけではありません。
腐敗した政治家や悪魔に魂を売ったギタリストも、彼らの逃避行に絡んでくるのです。

コーエン兄弟は、豊かな想像力を駆使してこのロード・ムービーを撮り上げています。
特にここでは、音楽の使い方が素晴らしいのです。
貧困や人種差別を音楽が溶かすのは、おとぎ話のような理想なのかもしれませんが、作家の念頭には、「オズの魔法使い」や「サリヴァンの旅」といった名画があったのかもしれません。
この映画は、殴られても蹴られても再生するアメリカの大衆文化にささげたものなのかもしれません。

2000年の映画です。
監督脚本ジョエル・コーエン、脚本イーサン・コーエン。






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映画「赤ちゃん泥棒」コーエン兄弟の第二弾作品!

2017.01.30.18:00

ジョエル・コーエン監督と脚本のイーサン・コーエンは兄弟で、作風の異なる映画をつくることにかけてはかなり評価が高いそうです。
代表的なのが、「ファミーゴ」と「ビッグ・リボウスキ」を比べてみればはっきりわかります。
さらにわかりやすさでいえば、デビュー作の「ブラッド・シンプル」と第二作の「赤ちゃん泥棒」を比較すればさらに納得です。

【固有名詞に凝ったクレイジー・コメディ】




「赤ちゃん泥棒」の舞台はアリゾナの荒れ地です。
そんな土地で、コンビニ強盗の常習犯だったハイ(ニコラス・ケイジ)と元婦人警官のエド(ホリー・ハンター)が結婚します。
子供がほしいのに思いをとげられない二人は、五つ子をもうけた家具屋の夫婦から赤ん坊を一人さらってしまいます。
そこからからんでくるのは、間抜けな脱獄囚と凶暴な賞金稼ぎです。

といっても、この映画は「ブラッド・シンプル」のような悲観的な指向性を持つ犯罪映画とは全く異なるのです。
話の設定だけを聞いただけで察知する方もいるかもしれませんが、これは相当に皮肉の利いた、挑発的でクレイジーなコメディなのです。
なによりも、何度か出てくる追っかけっこの場面が強烈におかしいのです。
そして、この作家は固有名詞に凝ります。
特に見逃さないでいただきたいのは、ハイが働く工場の名前や五つ子の名前です。
そんなくだらないと思われるところで、彼らは思いきりスパイスの利いた遊びを仕掛けてくる癖があるのです。
その癖を楽しめるかどうかが、この映画の好きか嫌いかが分かれてくるところかもしれません。
自分は、この「手の込んだアホ」が好みです。

1987年の映画です。






映画「間違えられた男」ヒッチコック唯一の実話!

2017.01.29.18:00

ヒッチコック監督が「実話に基づいた映画」を撮ったのは、この「間違えられた男」が最初で最後でした。
ヒッチコック監督自身がみずからカメオ出演しなかった作品も、この映画1本だけです。
もっとも映画の冒頭、彼は逆光のなかにたたずみ、「これは、私の映画のなかでは異色の作品です」と観客に語りかけます。

【平板に見えて執拗なタッチ】




ところがです、この「間違えられた男」は、ドキュメンタリーよりも寓話の匂いをつよく漂わせています。
黒白の簡潔な構図や時間の直線的な処理はドキュメンタリーのようですが、見終えるとなぜか、脂の乗った物語を聞かされたような後味が残ります。

主人公は、ニューヨークのナイトクラブで働いている堅物のベース奏者マニー(ヘンリー・フォンダ)です。
彼は派手なクラブで黙々と演奏し、仕事が終わると毎朝定時に帰宅するのです。
そんなマニーがある日、強盗犯に間違われて逮捕されます。
顔や様子がそっくりだといった証言が相次いだのが逮捕の原因。

幼いころから警察が大嫌いだったといわれるヒッチコック監督は、逮捕、取り調べ、留置、拘留といったありきたりの手順を、平板でいながら妙な執拗さをにじませたタッチで作り上げました。

善良な羊を演じるヘンリー・フォンダの人相がどこか邪悪で陰険な気配を放つのも、話の色合いを濃くしています。
さらに、随所で用いられるフェイドアウトの技法は、「・・・・。」で終わる文章のような効果をもたらします。
ヒッチコック監督は、この映画でまた違った才能を覗かせています。

1956年の映画です。






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2015graman

Author:2015graman
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競馬・スポーツ観戦(特に総合格闘技・ボクシング)・映画鑑賞

◆好きな俳優
シャーリーズ・セロン
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