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映画「レイジング・ブル」ボクサーのジェイク・ラモッタの自伝を映画化!

2017.02.28.18:00

ジェイク・ラモッタは実在のボクサーです。
彼は世界ミドル級チャンピオンにまで登りつめ、あのシュガー・レイ・ロビンソンとも5度も対戦しました。
ですが、「レイジング・ブル」は偉大なボクサーの伝記映画などではありません。
いや、むしろその逆というべきでしょうか。
この映画で描かれるラモッタ(ロバート・デ・ニーロ)は、嫉妬に狂う愚かな野獣です。
彼は欲望と恐怖と憎悪にふりまわされ、暴力を通じてしか、その苦しみから逃れることができないのです。

【奇怪な無意識を映画の中心に】




ラモッタが活躍したのは1940年代前半から1950年代初めにかけての時代でした。
ただしマーティン・スコセッシ監督は、世相の説明を最小限にとどめます。
ブロンクスでの暮らしぶりや、当時にぎわっていたナイトクラブの描写などはもちろん念入りなのですが、映画の中心にずっと居座りつづけるのは、ラモッタの「奇怪な無意識」なのです。

弟のジョーイ(ジョーン・ペン)にマネジメントをまかせているラモッタは、妻を捨てて小娘のヴィッキー(キャシー・モリアーティ)と結婚します。
ですがヴィッキーの欲望は、ラモッタの欲望と一致しません。
女という性を根本的に理解していないラモッタは悶えます。
精神的な視野狭窄を起こし、映画タイトルどおり怒れる牡牛と化して人生を狭めていくのです。

そんな男の怒りと嘆きを、マーティン・スコセッシ監督はモノトーンの画面を通して鋭く彫り上げています。
わけても秀逸なのはセルマ・スクーンメイカーの編集術ではないでしょうか。
「視覚的リズム」という技術用語をこれほどはっきりと納得させる映画はそうそうないのではないでしょうか。

1980年のアメリカ映画です。






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映画「ドアをノックするのは誰?」!マーティン・スコセッシ監督の初長編!

2017.02.27.18:00

エリザベス通り、モット通り、マルベリー通り・・・。
マーティン・スコセッシ監督の作品に親しんできた映画好きの人であれば、この地名に聞き覚えがあるのではないでしょうか。
2002年の「ギャング・オブ・ニューヨーク」などは19世紀中盤の話だというのに、やはりこの地名が出てきます。
そしてもちろん、彼の長編処女作「ドアをノックするのは誰?」でも、これらの通りが交錯するリトル・イタリーは重要な舞台になっています。

【処女作にひそむ速度と混沌】




アメリカで公開されたのは1968年のことですが、マーティン・スコセッシ監督はこの映画の原型を1964年に仕上げているのです。
ですが、若干23歳の青年が無名の俳優を使って撮った自伝的映画に配給元はつきませんでした。
公開されるまでには、2度3度とタイトルを変えて、撮り直す作業が必要だったのです。

主人公のJR(ハーヴェイ・カイテル)は、仲間とつるんで街をふらふらする生活を送っていました。
そんなある日、彼はスタッテン島からマンハッタンへ向かうフェリーでひとりの娘(ジーナ・ビートゥン)に出会います。
娘に好意をいだきつつ、JRにはまともな交際の方法がわかりません。
彼の頭には、娼婦と遊ぶか結婚するかというふたつの選択肢しか存在していないのです。

と書きますと、うっとうしい青春ドラマを想像されるかもしれませんが、そこはマーティン・スコセッシ監督が腕をみせてくれます。
若者の自己分析を描きながら、その撮影術や編集術には彼の署名が早くも刻み込まれています。
そうです、欠陥こそめだつものの、この映画にひそむ速度と混沌は、のちにマーティン・スコセッシ監督が大きく育て上げていく特質なのではないでしょうか。

1968年のアメリカ映画です。






映画「モスキート・コースト」今は亡きリヴァー・フェニックスの演技も〇

2017.02.26.18:00

正しいのはいつも自分と自分の考え、誇大妄想癖があって、しかも発明狂。
身近にいられては困りますが、こういう人物は物語の主人公としてはうってつけなのかもしれません。
独善的という性格はともかくとして、誇大妄想狂と発明精神はまちがいなくお話の種になるのではないでしょうか。

【楽園と悪夢は紙一重】




「モスキート・コースト」の主人公フォックス(ハリソン・フォード)も、この条件を十二分に満たしているといってもよいかもしれません。
フォックスはアメリカ文明を呪いつづけているのです。
「この堕落がつづけば、まもなく核戦争が起こってアメリカは消滅してしまう。」
「ならば、そんな国などさっさと捨てて『純粋な人々』の住む未知の場所で一からやりなおそうではないか。」
そう考えたフォックスは妻(ヘレン・ミレン)と4人の子供をひきつれ、モスキート・コーストの奥地で手製の王国を創り上げようとするのです。
彼は「氷こそ文明だ。」と主張し、巨大な冷蔵庫を製造して順調に開拓を進めていくのです。
しかしフォックスは、文明を呪いつつも文明に依存せざるをえないみずからの矛盾に気づいていなかったのです・・・・。

当時絶好調だった監督のピーター・ウィアーは、「フィッツカラルド」を連想させるこの物語を手堅く撮り上げていると思います。
原作はポール・セロー。
物語の骨格がしっかりしているがゆえ、ポール・シュレイダーの脚本も「楽園と悪夢は紙一重」という皮肉な真実に的をしぼることができたのではないでしょうか。
撮影はジョン・シール。
長男を演じたリヴァー・フェニックス(1993年23歳で死去)は、いま見ても注目すべき輝きを放っていると思います。

1986年のアメリカ映画です。






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2015graman

Author:2015graman
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競馬・スポーツ観戦(特に総合格闘技・ボクシング)・映画鑑賞

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