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映画「ディア・ハンター」!ベトナム戦争の深い傷

2017.02.25.18:00

公開時から数十年を経過して「ディア・ハンター」を見直すのは奇妙な感じです。
上映時間の長さは覚えています。
ロシアン・ルーレットの場面に眼を背けたくなったことも記憶に新しいです。
いわばこの作品は「二度と見たくない名画」の代表格だったのではないでしょうか。
ですが、この映画は見直す価値のある映画でもあると思います。
眼が異なれば、発見も異なってくると思います。

【抒情詩に火を入れる】




既にご承知の方も多いと思いますが、主な登場人物はベトナム戦争に壊された3人の男たちです。
彼らは、ペンシルベニア州クレアトンという、ロシア系の移民が築いた小さな町の鉄工所で働いているのです。

映画は3部構成の形をとっています。
第1部では、結婚式と狩の場面を通して戦争に赴く前の男たちの日常が描かれます。
第2部では、ベトナム戦争で捕虜となり、悪夢の体験に遭遇する彼らの姿が浮き彫りにされるのです。
そして第3部では、別々の形で戦後を迎える3人の姿に眼が向けられるのです。

公開当時、この映画にはある種のセンセーショナリズムがつきまとっていました。
反戦というよりも厭戦の気分が強く、呪われた男たちの傷みがなによりも前面に押し出されているからです。

ただし、監督のマイケル・チミノは、自然描写やモ群衆が登場するシーン(結婚式でも賭博でも)の撮影に莫大なエネルギーを注ぎ込んでいます。

冷え冷えとした山や霧と、ねっとりと汗ばむ群衆の痛烈な対照。
抒情詩に火を入れ、鍛え直して抒情詩と合体させる試みには感服します。

1978年のアメリカ映画です。






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