知的障害者施設で胎児が布に包まれていたそうです…。
2018.05.01.18:00
【長野の障害者施設、流産した胎児発見 性的虐待疑い調査】
長野県内の障害者支援施設で昨年5月、知的障害などがある女性が流産した胎児が衣類に包まれた状態で見つかっていたことがわかった。
施設から報告を受けた女性の出身自治体が、性的虐待を受けた後に流産した疑いがあるとみて任意で調査したが、すぐに警察には届けられず、詳しい経緯は判明していないという。
自治体は調査結果を県に報告した。
女性は施設の個室に長期型の入所をしていた。
日中は他の支援施設で働き、夜間は戻ってきていた。
施設間の移動は職員が送迎していたという。
流産の判明後、女性の出身自治体が任意の調査に入った。
県によると、県も自治体も「女性が性的虐待を受けた疑いがある」とみていたという。
しかし、自治体が実施した聞き取りでは、妊娠の経緯は明らかにならなかった。
その後、女性側から被害が警察に届けられたが、胎児はホルマリンで保存され、DNA型鑑定は困難だったと県は説明している。
知的障害者の性被害事件に詳しい杉浦ひとみ弁護士は「障害者は被害を訴えにくい構造がある。だからこそ、被害が分かったときに徹底して調査することが必要だ。なぜすぐに警察に届け、DNA型鑑定をしなかったのか。いまからでも徹底して調べるべきだ」と指摘。
「事案が発覚した場合の施設や自治体の対応をマニュアル化すべきだ」と話す。
施設を運営する社会福祉法人は、代理人の弁護士を通して「個人のプライバシーに関係することや、障害者の権利に関わることは、回答できない」とコメントしている。
【ソース:朝日新聞 2018年4月29日】
まあ、今回は流産らしいけど知的障害の人が妊娠して出産…、その後の育児を考えれば…。
難しい問題ですね…。
下は毎日新聞の社説です。
【強制不妊手術の全国調査 柔軟に幅広く実態把握を】
あまりに遅きに失したとはいえ、旧優生保護法に基づく強制不妊手術の実態調査に国が乗り出す。
その歴史的意義は認めたい。
旧厚生省の記録では強制不妊手術をされた人は1万6475人に上るが、資料が残っている人は2割に過ぎない。
医師や家族などの関係者が死亡している人も多いだろう。
同法が廃止されてもう22年。
記録がなくても、不妊手術された可能性のある人は幅広くリストアップし、救済の対象にすべきだ。
障害者らに対する強制不妊手術はこれまでにも何度か人権侵害だとして問題化されたことがある。
だが、国の責任の追及や手術をされた人の救済にまではつながらなかった。
この問題が急展開したのは、今年1月に宮城県内の女性が初めて国を提訴したことや、毎日新聞の報道がきっかけだ。
今月には救済に向けた議員立法を視野に超党派の議員連盟も設立された。
ただ、民法の損害賠償請求権が20年で失われるなど、救済を阻む壁は高い。
不妊手術を裏付ける資料がない人はどうするか、本人の同意の有無をどう確かめるかも難問だ。
宮城県は提訴した女性について、手術痕が確認できる、手術を推測できる資料がある、本人の証言に整合性がある、ことなどから事実を認める方針という。
被害者の多くは判断能力やコミュニケーション能力にハンディのある知的障害者だ。
明確な証言ができない人は多いだろう。
たとえ手術に同意があったとしても、どこまで不妊手術の意味を理解した上での同意かはわからない。
9歳の女児まで手術をされていた記録がある。
家族が医療機関に連れて行ったケースも多いと思われるが、障害者が身内にいることで地域や親戚から差別や偏見の目で見られていた家族も多かった。
障害者が性被害にあい、やむなく堕胎手術や不妊手術をした人も決して少なくはない。
二重にも三重にも理不尽な状況に置かれ、沈黙を強いられながら歴史にうずもれていたのである。
全国調査では、記録の有無にこだわらず、本人の証言や周囲の状況なども含めて柔軟に行うべきだ。
被害者の高齢化も考え、できるだけ迅速な調査が必要だ。
【ソース:毎日新聞 2018年3月19日】
長野県内の障害者支援施設で昨年5月、知的障害などがある女性が流産した胎児が衣類に包まれた状態で見つかっていたことがわかった。
施設から報告を受けた女性の出身自治体が、性的虐待を受けた後に流産した疑いがあるとみて任意で調査したが、すぐに警察には届けられず、詳しい経緯は判明していないという。
自治体は調査結果を県に報告した。
女性は施設の個室に長期型の入所をしていた。
日中は他の支援施設で働き、夜間は戻ってきていた。
施設間の移動は職員が送迎していたという。
流産の判明後、女性の出身自治体が任意の調査に入った。
県によると、県も自治体も「女性が性的虐待を受けた疑いがある」とみていたという。
しかし、自治体が実施した聞き取りでは、妊娠の経緯は明らかにならなかった。
その後、女性側から被害が警察に届けられたが、胎児はホルマリンで保存され、DNA型鑑定は困難だったと県は説明している。
知的障害者の性被害事件に詳しい杉浦ひとみ弁護士は「障害者は被害を訴えにくい構造がある。だからこそ、被害が分かったときに徹底して調査することが必要だ。なぜすぐに警察に届け、DNA型鑑定をしなかったのか。いまからでも徹底して調べるべきだ」と指摘。
「事案が発覚した場合の施設や自治体の対応をマニュアル化すべきだ」と話す。
施設を運営する社会福祉法人は、代理人の弁護士を通して「個人のプライバシーに関係することや、障害者の権利に関わることは、回答できない」とコメントしている。
【ソース:朝日新聞 2018年4月29日】
まあ、今回は流産らしいけど知的障害の人が妊娠して出産…、その後の育児を考えれば…。
難しい問題ですね…。
下は毎日新聞の社説です。
【強制不妊手術の全国調査 柔軟に幅広く実態把握を】
あまりに遅きに失したとはいえ、旧優生保護法に基づく強制不妊手術の実態調査に国が乗り出す。
その歴史的意義は認めたい。
旧厚生省の記録では強制不妊手術をされた人は1万6475人に上るが、資料が残っている人は2割に過ぎない。
医師や家族などの関係者が死亡している人も多いだろう。
同法が廃止されてもう22年。
記録がなくても、不妊手術された可能性のある人は幅広くリストアップし、救済の対象にすべきだ。
障害者らに対する強制不妊手術はこれまでにも何度か人権侵害だとして問題化されたことがある。
だが、国の責任の追及や手術をされた人の救済にまではつながらなかった。
この問題が急展開したのは、今年1月に宮城県内の女性が初めて国を提訴したことや、毎日新聞の報道がきっかけだ。
今月には救済に向けた議員立法を視野に超党派の議員連盟も設立された。
ただ、民法の損害賠償請求権が20年で失われるなど、救済を阻む壁は高い。
不妊手術を裏付ける資料がない人はどうするか、本人の同意の有無をどう確かめるかも難問だ。
宮城県は提訴した女性について、手術痕が確認できる、手術を推測できる資料がある、本人の証言に整合性がある、ことなどから事実を認める方針という。
被害者の多くは判断能力やコミュニケーション能力にハンディのある知的障害者だ。
明確な証言ができない人は多いだろう。
たとえ手術に同意があったとしても、どこまで不妊手術の意味を理解した上での同意かはわからない。
9歳の女児まで手術をされていた記録がある。
家族が医療機関に連れて行ったケースも多いと思われるが、障害者が身内にいることで地域や親戚から差別や偏見の目で見られていた家族も多かった。
障害者が性被害にあい、やむなく堕胎手術や不妊手術をした人も決して少なくはない。
二重にも三重にも理不尽な状況に置かれ、沈黙を強いられながら歴史にうずもれていたのである。
全国調査では、記録の有無にこだわらず、本人の証言や周囲の状況なども含めて柔軟に行うべきだ。
被害者の高齢化も考え、できるだけ迅速な調査が必要だ。
【ソース:毎日新聞 2018年3月19日】
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